皆さんこんにちは。突然ですが、塗装工事の下塗りって存在感が薄いなーって思っているのは私だけでしょうか。
結局中塗り、上塗りで見えなくなるし、いまいち下塗りの役割ってなんだろ?って思われている方必見!
塗装工事における下塗りは、まさに縁の下の力持ちのような存在です。見た目には最終的な上塗りの色が主役に見えますが、下塗りがしっかりと機能していなければ、どんなに良い塗料を使っても長持ちせず、美しい仕上がりも期待できません。ということで今回は下塗りについて解説していきます!
下塗りの主な役割
下塗りには、塗装の品質と耐久性を決定づけるいくつかの重要な役割があります。
-
密着性の向上(プライマー効果): 下塗りの最も重要な役割の一つが、この密着性の向上です。素地の種類(モルタル、サイディング、金属など)によって、上塗り塗料との相性が異なります。下塗り材は、素地と上塗り塗料の間に強力な接着層を作り出すことで、上塗り塗料がしっかりと密着し、剥がれや浮きを防ぎます。これは、のりとテープの関係に似ています。のりがないと、テープはうまく貼りつきませんよね。
-
素地の状態調整・補強(シーラー効果): 素地には、細かいひび割れや、塗料を吸い込みやすい部分、逆に吸い込みにくい部分など、様々な状態があります。シーラーと呼ばれる下塗り材は、これらの素地の状態を均一に整え、上塗り塗料の吸い込みムラを防ぎます。吸い込みムラがあると、上塗りの色が均一にならず、ムラになってしまうことがあります。また、古い素地や劣化した素地に対しては、その強度を補強し、上塗り塗料の耐久性を高める効果も期待できます。
-
上塗り塗料の吸い込み止め: 特にモルタルやコンクリート、木材などの吸水性の高い素地の場合、下塗りなしで上塗りを行うと、素地が塗料を過剰に吸い込んでしまい、塗料の性能を十分に発揮できないだけでなく、上塗りの厚みが不均一になり、色ムラの原因にもなります。下塗りは、この塗料の吸い込みを均一に抑え、上塗り塗料本来の色や艶を最大限に引き出すための土台を作ります。
-
下地からの染み出し防止(ヤニ・アク止め、サビ止め効果): 木材のヤニやアク、金属のサビなど、素地から染み出してくる成分が上塗りの色を汚したり、変色させたりすることがあります。特定の機能を持った下塗り材(ヤニ・アク止めシーラー、サビ止め塗料など)を使用することで、これらの成分が上塗りに影響を与えるのを防ぎ、美しい仕上がりを保つことができます。
-
仕上がりの向上: 下塗りをしっかりと行うことで、上塗り塗料が滑らかに塗布され、美しい艶と均一な色合いの仕上がりを実現できます。下地が整っているからこそ、上塗りの「顔」が映えるのです。
下塗りの重要性
下塗りの工程を省略したり、不適切な下塗り材を選んだりすることは、目先ではコスト削減に見えるかもしれませんが、結果的には塗装の寿命を縮め、再塗装の頻度を早めることになりかねません。
-
塗装の耐久性向上: 下塗りがしっかりと素地と上塗り塗料を密着させることで、塗装が剥がれにくくなり、紫外線や雨風などの外部からの影響から建物を長く保護できます。
-
美観の維持: 色ムラや染み出しを防ぎ、上塗り塗料本来の美しい色合いや艶を長期間保つことができます。
-
トータルコストの削減: 初期費用はかかりますが、塗装の寿命が延びることで、将来的な塗り替え回数を減らし、長期的に見ればメンテナンスコストを抑えることができます。
-
塗料性能の最大限発揮: 上塗り塗料は、それぞれが持つ耐久性や防汚性などの性能を最大限に発揮できるよう設計されています。下塗りがその土台をしっかりと作ることで、上塗り塗料のポテンシャルを存分に引き出すことができます。
まとめ
塗装工事において、下塗りは見えない部分ですが、建物の保護と美観を長期間維持するために不可欠な工程です。適切な下塗り材の選定と丁寧な施工が、最終的な塗装の品質と耐久性を大きく左右すると言っても過言ではありません。工事を依頼する際は、下塗りの工程や見積りの使用する材料についても確認し、納得した上で工事を進めることが大切です。